遺言の作成

遺言

1.遺言とは

自分が死亡した時に財産等を誰に承継させたり、どのように分配するか等について、自己の最終意思を書き残しておくものです。原則として「遺言書」がある場合には、法定相続より優先されて遺言書の記載内容に従って遺産の分配を行います。そこで、「遺言書」の中で、日ごろお世話になった方、感謝を伝えたい方に一定の財産を残す旨を書いておけば、その思いを伝えるとともに、相続人以外の方に対しても財産をお渡しできるものです。これを遺贈といいます。

このように「遺言」とは後に残る人たちへの感謝や愛情の表現と言えるのではないでしょうか?

2.遺言書の種類

主に3種類あります。それぞれ決められた様式があり、その様式の要件を満たすことが大切です。

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3.「遺言書」はなぜ必要でしょうか?

「遺言書」をお勧めすると、「うちの子供たちは仲が良いから」「私には財産なんてないから」などと言う人が多いのが現状です。事実日本にはまだ「遺言書」を残す習慣は、あまり定着してないように思えます。

しかし、「遺言書」を残すということは、残された家族に自分の財産についての最終的な意思を伝えるとともに、感謝や慰労の思いも伝えることもできます。

また、ご自分がいなくなったことによって生じる様々なトラブルからご家族を守る目的もあります。仲の良いはずの家族が、遺産を巡ってバラバラに分解する危機に直面した時、守ってくれるのが「遺言書」であり、その「執行人」なのです。

4.「遺言執行者」とは

「遺言書」を残した人は、自分が死亡した後に、その内容を実行して貰うことになるので、遺言が正しく実行されるのを見届けることは不可能です。そこで遺言者は、遺言の内容を実現するために、相続財産の管理その他、遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する「遺言執行者」を「遺言書」の中で指定することが出来ます。

2019年7月1日から「遺言執行者」の権限が民法の中で明確化されました。

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5.「遺言書」が遺されてなかったので・・・

①   Aさんは、亡き父親の相続人は自分たち兄弟二人だけだと思い込んでいました。

ところが相続人調査をしたら、父は再婚で、先妻との間に二人の子がおり、戸籍から察するに、二人の兄さんたちは複雑な事情を抱えているような状況でした。Aさんは悩んだ結果、相続手続をあきらめました。

②Bさんは、ご主人がなくなったとき、ご主人の兄妹たちの代襲相続人である甥と姪が13人もいてその内の1人が行方不明でした。Bさんは、失踪宣告を家庭裁判所に申し立てるか相続財産管理人の選任を申し立てるか迷いましたが、結局どちらもせず、そのまま亡くなったご主人の名義の家に住み続けていますが、将来の不安は残ったままです。

③Cさんも、ご主人が亡くなったとき、行方不明の代襲相続人がいましたので、失踪宣告を申し立てました。宣告が出るまでに1年以上も掛りましたが、相続手続を終えることができました。

④Dさんの場合は、大叔父が亡くなり、さらにその後、妻の大叔母が亡くなり、住宅と土地が残されました。Dさんは遠方におりながら、不動産の固定資産税を負担していました。そこで相続人調査をしたところ、大叔父は養子として入籍していたので、法定相続人が30人以上もいました。その相続人の中でDさんだけが大叔父叔母夫妻と交流があり、納税もしていたので、「土地と古い家をDさんに相続させてしてほしい」旨の遺産分割協議書に同意してもらいたいと他の相続人の方々に書面でお願いしました。一人の相続人だけが「遺産はいらいないが、見も知らない人のために、実印など押せない、ましてや印鑑証明書など渡せない」と拒否され、Dさんは調停を申し立てて時間と費用を掛けてようやく解決しました。

上の4つの例をみてみますと、亡くなった被相続人の「遺言書」さえあればスムーズに解決できたのに、遺言書を残されなかったため、相続手続が非常に複雑になり、遂には相談者は手続を諦めてしまうという事態にもなってしまいました。

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6.40年ぶり民法(相続法)改正

以上「相続」と「遺言」の関係をみてきました。相続人にとって遺言がどれほど重要な意味を持つものか、お分かりいただけたと思います。

さて、今回、2019年の7月から2020年の7月にかけて、相続に係わる民法が大きく改正になりました。そういった改正部分もご説明しながら、無事に皆様の相続手続を進めさせて頂き、皆様に喜んでいただきたいと願っております。

なお、この改正については、法務省民事局から分かりやすい情報が、ホームページに公開されております。

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00236.html

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